ムーミンが2018年センター試験の地理Bで出題された’事件’のまとめ

公開日: : 最終更新日:2018/04/23 北欧あれこれ

2018年の大学入試センター試験において、地理Bの問題でムーミンが登場しました。このことについて、様々な専門家まで巻き込み、議論をよんでいました。

実際のところ、この問題はどうだったのか、まとめてみました。

センター試験において、地理Bとは?

現在、大学入試の第一関門として活用されているセンター試験ですが、2020年1月(2019年度)の実施を最後に廃止され、翌年から新しい形の「大学入学共通テスト」に移行することが決まっています。

地理Bという科目は、特に理系の受験生が、志望先の大学で地理歴史のいずれか(日本史B・世界史B・地理B)の受験が必須となっているときに選択する場合が多い科目です。その理由として、地理Bは膨大な知識量を問うというよりも、「地理的概念の正確な理解」と「地図やデータの精密な読解力」を問う科目で、社会科の他科目と比較しても平均点が高く、人気のようです。

毎年の大問の構成は、このようになっています。

・第1問: 自然環境

・第2問: 世界の産業(資源・農業)

・第3問: 生活文化

・第4問: 地域社会

・第5問: 現代世界

・第6問: 地域調査

ムーミンの問題は問5「現代世界」に出題されました。入試問題としてアニメが出てくるのは楽しいと思うのですが・・・

ムーミンの問題がどうして議論を巻きおこしたのか?

ムーミン問題を見てみると、スウェーデン語と「ニルスのふしぎな旅」の組合せを例として、アニメーション「ムーミン」「小さなバイキングビッケ」の絵が呈示され、それがノルウェーとフィンランドどちらが舞台なのかを推測し、その国の言語との組合せを選択するという問題。

言語については、おそらくほぼ全員の受験生が初めて北欧の言語を目にしたと思いますが、この問4に至るまでにフィンランド語の語源が他の国と違うという説明もあり、スウェーデン語と似ていない方を選べば良いので問題にはなっていません。

問題は、アニメーションの方。

「ムーミン」=フィンランド、「ビッケ」=ノルウェーが正解になっていますが、それを知らなくてもバイキングがノルウェーで、森があるのがフィンランドというイメージだけでも答えられそうです。

各方面の反応は?コメントは?

この’事件’どんな議論に発展し、結果どうなったのでしょうか?まとめてみました。

専門家である、大阪大外国語学部スウェーデン語専攻の古谷准教授によると、

「物語の舞台のムーミン谷は架空の場所」であり、「ビッケと仲間たちが住んでいる村もノルウェーとは明示されていない」。よって「フィンランドとノルウェーを描いた根拠がなければ解答不能になる」とのコメントを発表しました。

また、ムーミン公式サイトでも、「原作の挿絵に『フィンランド湾』と書かれている」としながらも「アニメの設定は十分な資料がなく、舞台がフィンランドかは第三者の検証に委ねたい」と発信しています。

さらにムーミン公式ツイッターでは、

「ムーミンの舞台はフィンランドかノルウェーか…という問題がセンター試験で出てお怒りのみなさんも多いようで…。まだまだ知られてないんだな、と反省、もっと知ってもらえるよう公式サイトもがんばります!これを機にムーミンの世界について知ってもらえると嬉しいな。」と素直な気持ちをツイートしました。

出題側の大学入試センターは、回答の根拠をどう考えていたのでしょう?

ムーミンについては、「日本で刊行された書籍に原作者のコメントとして『フィンランドにあるムーミン谷』との記述が見られる」と説明しています。

一方のビッケは、明確な出典が確認できないため「ノルウェーを舞台にしたアニメとの記述は、厳密な意味では正確ではない」と認めながらも、「設問の趣旨を分かりやすく示すためだった」と釈明したそうです。

さらに、センターテストの問題にあるムーミンの画像から「低平で森林と湖沼が広がるフィンランドが類推される」とも説明していました。それについては後日、地理や地学の教員らでつくる「日本地球惑星科学連合」の有志が「平地、樹木、湖沼はノルウェーにも実在する」として、センターに説明を求める要望書を送る’事件’に発展したそうです。

結局のところ、大学入試センターは、出題ミスではないとの立場を崩さず、採点上の配慮はしませんでした。

「バイキング」はノルウェーに関連すると類推でき、教科書で取り上げている言語区分の知識があれば正解を導けることなどから、「地理Bの知識・思考力を問う問題としては支障がなかった」と説明しています。

結局のところ、受験生の間では大した混乱はなく(配点3点に大騒ぎしている場合ではないでしょうし。。)、このままこの’事件’は収束したようです。

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